「昼神」の名に秘められた伝説
※画像は昼神温泉郷にある銅像
南信州阿智村にある「昼神温泉郷(ひるがみおんせんきょう)」は、
昭和48年に湧出した比較的新しい温泉ですが、
この「昼神」の名には古く尊い謂れが伝わります。
説は二つ。
【その一】
大昔、日本武尊が伊那谷を通って園原の神坂峠へさしかかったとき、
悪事をする神が白鹿に化けて、尊の前に立ちふさがりました。
尊は口に噛んでいた蒜(ヒル)を鹿に投げつけ、鹿を退治。
するとたちまち濃霧で何も見えなくなってしまいましたが、
一匹の白狗が尊を里へ案内してくれ、
無事にたどりつくことができました。
このことから、峠越えの際には蒜を噛んで通ると
安心と言われるようになり、
「蒜噛(ひるかみ)」が、現在の「昼神」になったということです。
【その二】
阿智神社に祀られている天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)は、
「天の岩戸」に隠れた天照大神(あまてらすおおみかみ)を、
岩戸の中から導き出す方法を考えて、
世の中に再び昼の明るさを取り戻させた智恵の神といわれています。
そしてこの阿智の里に神が降りたと伝えられ、
そこから「昼神」と呼ばれるようになったという説もあります。
※参考
昼神温泉ガイドセンターHP
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